運命の果ての恋〜歴史は変わらない〜
「…どうして、龍馬はそんな事言うの…もう、龍馬を信じれないよ…」


私は龍馬の声よりもか細かった。


朝日に照らされた冷たい空気に溶け込むようにして私の声は、消えてゆく。


でも私はまだ言葉を紡ぐ。


「違う女…居るんでしょう??…ほら」


私は、くしゃくしゃの手紙を誰から来たのかわざと見えるようにして、龍馬に差し出した。


やばい…視界が、霞んできた。


今龍馬がどんな顔してるかも分からない。


急いで、涙を拭うと、視界には、ふわりと何故か優しげに笑う龍馬が。


私は、心臓がどくりとはねた。


いよいよ、捨てられるのかも。


私は遊びだったのかも。

涙が、熱い…。


目、あかぎれちゃうよ。


「アハハ、美夜ちゃん、これは」


嫌だ。聞きたくない。


自分から問いただしといてだけど。


今更耳を塞いでボイコット。


私って本当都合よすぎ。


でも、嫌なの。


貴方から、言葉を聞くのは。


正確に言うと、別れの言葉を聞きたくないの。


わがままな私。


別に私達、付き合ってるワケでもないし、貴方を困らせてごめんなさい。


「ごめんなさい!!うざいよね、困る…よね、私…達、別に…恋仲でも、な、いし」


自分で言ってるくせに涙が出てくるわ嗚咽が出てくるわ、もう言葉が紡げない。


「…忘れて」


自分から問いただしたくせに。


結局捨てられるのが怖いだけ??


結局龍馬に甘えたいだけ??


もう、何も聞こえないようにした。


だって、龍馬から何も聞きたくないから。


もう、何も見えないようにした。


だって、龍馬の表情を見たくない。


私は、すべての扉を閉めきった。


もう、何も見えないし聞こえない。


安心できる。


なのに、どうしてかな??


涙がとまらないのは。


すると、急に重力が変になって、いきなり光が目を差し込んだ。
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