運命の果ての恋〜歴史は変わらない〜
両手が持ち上げられて、痛い。


ぼやける視界にうつるは…龍馬??


「おまんは…わしを、恋仲に見てくれとらんかったがか??」


刹那、龍馬の悲しそうな表情が目に焼き付いた。


「それに…手紙の相手は、あねやん(姉)やき…」


その答えに、涙がするりとつたった。


たしか、歴史でならった。


龍馬には、乙女という姉がいて、親の代わりに面倒をみていたと。


どうして思いださなかったのか。


私は嬉しくて泣いてしまった。


「龍馬…」


離された両手は、自然と龍馬の背中に。


龍馬の厚い胸板に頬が当たる。


重太郎とまた違った大人の男の匂い。


頭は痺れる感じでとろん、とする。


龍馬の胸の中は、心地好い。


「で、美夜ちゃん…わしは、恋仲じゃないがか??」


この声は拗ねてるな??


「仕方ないじゃん…私だって龍馬が私の事好きだなんて、思ってなかったし」


思わず言った言葉ひ龍馬は恥ずかしがりながら、私の頭を強く押さえ付け喋れなくした。


「改めておまんに言われると恥ずかしいき」


さらに近くなる龍馬との距離。


息、できないけどね。


さっきよりも強く香る龍馬の匂い。


息、できないけどね。


龍馬の甘い声に痺れる脳。


息、できないけどね。


心地好さに、意識が遠退きそうになる。


息、できないからね。


「ブハッ!!!!!!!」


「んほっ!?」


息をやっと吸えたせいか、私は思わず、奇声がでた。


それに驚いた龍馬も、思わず奇声をあげた。


それに、私達は声を揃えて笑ってしまう。


「何ソレ」


「おまんこそ」


しばらく、私達は抱き合っていた。
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