運命の果ての恋〜歴史は変わらない〜
「美夜ちゃん…わしと、恋仲になってくれんがか??」


本当に、なってよいのか…??


もちろん、私も龍馬の事、大好き。


だけどね、歴史が変わっちゃう。


私の時代まで受け継がれた歴史が。


「…歴史が、変わっちゃう…」


「そげんこつばなんちゃあないき!!わしら二人で乗り越えてけばえいろ!!」


がしりと両肩を捕まれた。


初めて出会った頃と同じ、澄んだ瞳。


それが今、私に向いている。


なんと嬉しい事か。


「ありがとう…龍馬…」


また、滑るようにして涙が一筋だけ頬にたれ落ち、じわりと畳にシミをつくる。


「礼はいらんき…」


また、固く抱き合った。


そしてしばらくして少しだけ離れ、


「美夜…」


「龍馬…」


龍馬を見つめて、一回瞬きをする。


「愛しちゅう」
「愛してる」


ほぼ同時に私達の愛の言葉が重なった。


絡まる視線は、外すことはなく、さらに絡める。


龍馬の顔が、近づいてくる…。


これから先、何が起こるか分かった。


私は、初めてだけど…。


下手に思われませんように。


唇が交わるまでは、長くて、短くて。


吐息が重なる所まできた。


ゆっくりとまぶたを閉じると暗闇が襲う。


そこから、吸い込まれるように唇は、重なった。
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