運命の果ての恋〜歴史は変わらない〜
変名。
5月。


美夜は、こっちの世界に来てから早いもので、すでに年をこして、5月になった。


「龍〜馬〜」


美夜は龍馬に優しく抱き着き、脇をくすぐるようにして起こす。


「…ッにゃひゃひゃ!!」


龍馬も最初は負けじと我慢していたが、耐え切れなくなり、笑ってしまう。


そして龍馬が起きたのを確認すると、今度は重太郎の方へ向かう。


「重太郎」


美夜が重太郎の名を冷たく言い放ったかと思うと、しゃがんで重太郎の手を取り、小指の爪の根本に美夜の爪をさす。


「ッ!!??」


もともと些細な音で起きるくらいの重太郎だから、こんなことをされると、飛び起きてしまう。


「武智、おま……すまんちゃ」


重太郎が急に謝ったので不思議に思い、美夜は振り返ってみると、後ろには龍馬が立っていた。


美夜が振り返った時には満面の笑みな龍馬だが、重太郎が謝った時は、黒いオーラを出していた。


こんな感じで、龍馬は本当に嫉妬深かいのに併せて心配性でもあった。


しかし、束縛が強いというわけでもなかった。


龍馬は忙しい時が多いのか、美夜を愛する余裕はできても束縛する余裕はできなかった。


二人はますます気が合い仲良くなり、愛を深めていく。


そんなある日の出来事。
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