運命の果ての恋〜歴史は変わらない〜
「龍馬、海舟さんが来とるき」


重太郎は疲れ気味に部屋に入ってくる。


それを聞いた龍馬と美夜は、途端に笑顔になった。


「アハハ、久しぶり〜美夜ちゃん、龍馬君」


いつもみたいに笑いながら呑気に入ってくるのは、勝海舟。


「海舟さん!!」


美夜と龍馬は嬉しさのあまり、声をそろえて呼ぶ。


「相変わらず仲がいいね、」


終始笑顔を絶やさない海舟に、ぶすっと拗ねた様子の龍馬に、重太郎は首を傾げる。


「龍馬、おまんどうしゆう??」


なにげに気を配る重太郎だから、龍馬にきちんと聞く。


「海舟さんがわしを最後に呼んだき」


「おまんは子供かえ」


あまりにも子供みたいな理由に、重太郎は呆れて龍馬の額を軽く叩く。


そこに美夜が二人が座れるように二つ座布団を持ってきて、龍馬に近づく。


「私以外にヤキモチ妬かないで下さい〜」


子供みたいに甘えながら、後ろから抱き着いて龍馬に首締めをかける美夜。


相変わらずベタベタする二人を放って、重太郎と海舟は用意された座布団に座る。


「すまん〜ギブやき〜」


龍馬が涙目で首締めする美夜の腕をぺちぺちと叩く。


ギブという言葉に、海舟がくいつく。


「…ギブ??」


不思議そうな海舟に、重太郎が説明する。


「武智が未来で使う言葉らしいですき。意味は、参ったらしいですちゃ」


その説明に大袈裟に、海舟は手を手の平に打ち付ける。


「そういえば美夜ちゃんは未来から来た人でしたね」


海舟が納得いっていると、美夜は龍馬の隣に座って、口を開く。


「なるべく、言わないで下さいね。私は…海舟さん、重太郎、龍馬を信頼して打ち明けたんですから」


「だからどういてわしが最後…ぐほっ!!」


真剣な話しをしていたのにムードをぶち壊す龍馬に美夜は一発横腹にひじ鉄をくらわした。


龍馬が痛さに悶え床にはいつくばっているのを無視して、今度は重太郎が口を開く。


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