運命の果ての恋〜歴史は変わらない〜
気づくと、話は終わったみたいだった。


「美夜ちゃんは、もう一つの名前とかはないの??」


話を聞いてるわけでもなかったから、美夜はぼぅとしていて…。


見苦しく肩がびくんと跳ねる。


そんな私を見て三人が笑う中美夜は頭を回転させ海舟の話を整理していた。


「どうして…でしょうか…」


「美夜ちゃん働いてるんだったら本名は出さない方がいいと思うんだけど…」


「そうなんですか!!私、働いてないんです…」


美夜は、妙に明るく振る舞ってしまった。


頭の中には、働くという言葉がずっと居座っていた。


ふいに、美夜は罪悪感に襲われた。


自分は何もせずに暢気にお世話になっていた、という事に。


しばらく、海舟との雑談を楽しんだ。


基本的には、龍馬と美夜のノロケ話、それにイヤミをさすという、


なんともたわいのない会話。


むしろ現代女子高生。


そんなガールズトークのような話も終わり。


「今日はありがとう、美夜ちゃん、重太郎君、龍馬君!!!」


美夜達は、きちんと夕日に溶け込んでいく海舟の背中が見えなくなるまで、見ていた。
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