運命の果ての恋〜歴史は変わらない〜
「名前…どうする??」
「うーん…」
部屋で静かに頭を悩ませる二人。
いつもは騒がしい二人が何やら夢中になって頭を抱えこんでいるのがおもしろおかしくて、重太郎が話しかける。
「おまんら…どうしゆう」
そう言うと、二人は息ピッタリで重太郎の方を向き、声を合わせて重太郎に助けをこう。
「どういう名前がいいかわかんないのー」
重太郎も一緒になって頭を抱えはじめる。
しばしの沈黙が、三人を包む。
その沈黙を破ったのがまず美夜。
「そうだっ!!!」
大きな声は、静かすぎる空気に異常に響いた。
「あみだくじで決めよ!?」
美夜はまるで目に宝石を埋め込んだような瞳で、龍馬と重太郎に肯定を求める。
そんな瞳で言われたら、意味を知らなくても肯定せざるを得ない。
「え、えいけど…美夜ちゃん、それどうやるんかえ??」
そう聞くと美夜はあぁ、そうか。といって二人に近づく。
「えーとね、あみだくじっていうのは…」
それからしばし説明に時間をとる。
いくら大の大人といえだまったく知らないモノを一から教えるのは難しい。
「そういう事かえ!!わかったき♪」
理由が分かったとなるとテンションを取り戻す龍馬。
皆、それぞれの思いのままの名前を紙に包み、隠す。そしてまずは三本の線を引き。
当たりの場所を書き込み、そこを折って線をめちゃくちゃに書き込む。
そして自分の場所を決めて線を辿った結果…。
「!!!!わしが当たりやき!!!!」
当たったのは龍馬だった。
まるで子供のようにはしゃぎ喜ぶ。そして龍馬の考えた名前を見る。
カサカサと乾いた紙の音がし、開くとそこには力強い文字で。
『お龍』
と、書かれていた。