運命の果ての恋〜歴史は変わらない〜



半分警戒しながらも襖を開ける。と。

そこには何やらどっしりとした人が座っていた。

龍馬は何やら真剣な顔をして。海舟と重太郎はいつもの様子だが…。

美夜は襖の前に座り、

「龍馬様とこの度夫婦になりました、お龍です」

と言いながら頭をさげる。


「そうですか。おいどんは西郷隆盛ちゅーモンです」

西郷隆盛。美夜は有名な歴史上の人物とでくわしてしまった。


西郷は、太く低い声で聞き取りにくい方言で特徴のある男だった。

「それにしても別嬪さんですなぁ」

愛想もいいみたいで、笑顔で接してくれる。美夜も若干心を開いていく。

そんな中、龍馬だけがそんな美夜をじとりと見ている。


それからしばらく海舟、西郷、龍馬、重太郎は話す。


美夜にはやっぱりちんぷんかんぷんだったが一緒に龍馬と居れる事に、海舟に感謝する。

そして話した後、西郷は今泊まっている旅館に帰る事に。

「じゃ、おいどんはこれで」

といきなり言うとスッと立ち上がり礼をして帰ろうとする。

そんな西郷に、美夜は立ち上がり側までよる。

「あ、お送りしますよ」

と言うと西郷は優しく笑い美夜の頭を優しく撫でる。

「こんな時間におなごが一人は危ないからのう」


と言って、ドスドスと豪快な音をたてて帰って行った。

そして海舟はいつものテンションで、

「龍馬君、どうだった??西郷君は??」

そう言うと、龍馬は急に眉間に皺をよせて腕を組む。


「あの人は少し叩けば少し驚き大きく叩けば大きく驚く人やきー」

と言うと、海舟はまたいつものように笑う。

「アハハ、龍馬君らしい人の見方やねー」

と言う。しかし、龍馬はまだ言葉を紡いだ。

「わしはあんまり好かん男がじゃ!!」

龍馬はすっかり口をヘの字に曲げて拗ねスイッチが入っていた。

「まーた龍馬の悪いクセじゃ」

重太郎は、そんな龍馬を見て呆れ返った様にため息をつく。


しかし海舟と美夜は何故龍馬が嫌いなのか分かっておらず、キョトンとする。

美夜は龍馬の方へより龍馬に問いただす。

「なんで西郷さんの事が??」

そう聞くが、龍馬はチラチラと美夜を見るだけで話そうとはしない。

すると、重太郎は龍馬を小ばかにする様に美夜と海舟に教えた。


「武智、おまんをあんしは色目で見ゆう。それが龍馬は気に入らないんじゃ」

まだ美夜はキョトンとしたまんまだが、海舟はまた笑う。

「それも龍馬君らしい人の見方やね!!!アハハハ!!」

それに釣られるように、重太郎も少しだけ口を緩ませ笑う。

だけど美夜だけは意味が分かっておらず龍馬と海舟と重太郎をキョロキョロと見るだけで。

そんな美夜にまた龍馬は可愛いと思い、少し唸ると美夜を強く抱きしめる。


「ゔーー!!わ、分からんでよか!!!」

抱きしめられ、真っ赤で熱くなった耳は龍馬の胸元に宛てがわられる。

早鐘をうつような、龍馬の早い鼓動が耳に伝わる。

恥ずかしがってるのは顔を見なくても分かり、その鼓動を聞いて美夜は柔らかく微笑んだ。



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