運命の果ての恋〜歴史は変わらない〜




また、いつもと同じように朝日が美夜達を平等に差し込む。


その眩しい光に、美夜が起きる。

ニヤついて幸せそうに眠る龍馬を見て、美夜は軽く微笑む。


すると、ぶすっとしたTHE寝起きの顔で重太郎が起きる。

それにもまた美夜が微笑む。


重太郎は起きた後しばらく何もせずにぼぅっとしていた。

美夜が重太郎の目の前で手を振ると、ハッと我にかえった。


「ど、どがぁした、武智!!」

あまりにもあたふたする重太郎が珍しくて、対応に困ってついつい口ごもりながらも答える。


「いや…その…??」

「どういて疑問形??」


だんだん目が覚めてきたのか、重太郎はいつものツッコミをする。

そして、重太郎はうーん、と言いながら思い切り伸びをする。


「昨日、起きてたでしょ…」

ニヤニヤと悪戯っぽい笑みを浮かべながら、重太郎に問う。

重太郎は一瞬伸びの姿勢のまま固まった後、わざと反対を向く伸びをし始める。


「知らん」


重太郎は美夜の方を向かずに、短く呟いた。
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