運命の果ての恋〜歴史は変わらない〜
美夜はやはり、と思い重太郎にしつこく構う。
「えー起きてたでしょー」
向こうを向く重太郎の目の前に回り込む、美夜。
ニヤニヤする美夜を見て、なんだか変に恥ずかしくなって、また反対に反らす。
「顔を逸らすなぁ!!」
そう言って美夜は今度は重太郎の真ん前に行って重太郎の顔を両手で掴む。
そして、美夜は自らの方を向かせる。
「…ぅ…!!」
いつになく重太郎が顔が赤くなっている。
美夜は、ここぞといわんばかりに重太郎にいつもの仕返しをする。
「アハハ〜重太郎顔が赤いぞ〜」
重太郎も、否定出来ずに、顔だけでなく耳まで朱色に染めていく。
「私にドキドキしてるのカナ〜??」
悪戯にケラケラと笑う美夜に、重太郎を奥歯を噛み締める。
「ほたえ…なっ!?」
重太郎の視界が一瞬にして掻き回され、重力がおかしくなったと思うと。
ぼふ、と背中に柔らかい布団が当たる。
すると、美夜がすかさず重太郎の上に乗る。
「これぞ下剋上なり〜」
またニヤニヤしながら重太郎の鼻を優しく人差し指で撫でる。