運命の果ての恋〜歴史は変わらない〜
もう秋ごろになるのだ。
残暑は厳しいままだが…。
美夜は汗だくになって小さい丘の頂上を目指して歩く。
丘の頂上には、ひと時の幸せが待っているのだから。
丘の頂上に、ついた。
ギラギラと憎らしくてらしつける太陽は相変わらずだが、風が心地好く吹いている。
美夜も浅く深呼吸をして、腰をおろした。
「…ふぅ」
今日の昼食、というより毎日メニューは変わらないがおにぎりを取り出す。
ペコペコすぎるお腹には至福なひと時なのだ。
誰も知らない、誰も来ない自分だけの場所だった。
食べ終えると、美夜はごろん、と寝転んだ。
目の前は夏の水色の空が掻き回された後、視界が定まる。
その頃には草の心地好い香りが鼻をくすぐる。
美夜は、言葉もはっさずに空を仰いだ。
この隣に、龍馬と重太郎が居たら。
そう考えてまた幸福な気持ちになった。
今度また皆の時間が空いた時に来よう、と核心するのであった。