運命の果ての恋〜歴史は変わらない〜
激しい揺れがおさまり、美夜の足取りも安定してくる。


しかし、佳の姿は見えないまま。


すっかり窓ガラスが割れ、ひしゃげた窓が目立つ別荘。


メイドが車にエンジンを入れ、むわっと熱気が吐き出される。


それによって寒かった社内は温まる。


メイドは、アクセルを踏み、美夜達がのる車は出発してしまった。


佳達を乗せないまま。


車がゆくのは、金持ちだけが使える対震災用シェルター。


一旦、そこに行かなければならない。


車内は何の言葉もなく進んでいく。


信号は、赤から青に変わり、車は進み出す。


すると、信号無視したトラックが美夜達の車に走り出してきた。


一瞬見えた運転手は、目が虚ろだった。


いわゆる、居眠り運転。


悲鳴など出ず、かすれた声だけが出た。

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