運命の果ての恋〜歴史は変わらない〜
しばらくたって。
静かな草を踏む足音が聞こえて美夜は慌てて体を起こす。
すると、そこには見慣れた男が居た。
「近藤さん…」
思わず、声にしてしまった。
だって、この場所は自分しか知らないと思っていたから。
すると近藤は少し恥ずかしそうに目線をそらす。
軽く、返事をしながら。
「やぁ、お龍さん…」
そう言うと、近藤は美夜が喋る前に言葉を紡いでしまった。
それも、無理矢理な偶然を装ったかんじで。
先程の事もあったし、なるべく触れずにこじつけに納得いったフリをする。
そして近藤は緊張したような笑顔で、
「隣…いいですか??」
こう言った。
いきなりだったので、返事が少し遅れながらもいいよ、と笑顔を浮かべると。
まるで子供みたいな無邪気な笑顔を見せた後に嬉しそうに隣に座った。
「…で、話とは…??」
なかなか言い出さない近藤に焦らしを感じた美夜はいきなり本題にいく。
近藤も急に本題に入ったので、戸惑ったがすぐに真剣な顔になった。
そんな近藤の表情の変化に、美夜も変に緊張してしまう。