運命の果ての恋〜歴史は変わらない〜



それから間もなくして龍馬と加尾は、恋に落ちたのだ。

まるで、必然の如く。


朝焼けが全てを美しく照らす頃。

夕焼けとはまた違う美しさがあった。


光が、草をキラキラと照らしつけていて思わず目を奪われるほど。

二人で、何にもない草原に並んで腰をおろした。


いつもの様に、たわいのない会話をしていると。

加尾の顔が下に俯いて、黙ってしまう。

普段明るい加尾が、落ち込むのが珍しくて顔を覗きこむが。


「どがぁした??」

そう、言うと。

加尾が弱々しく口を開いた。

「私…嫁がされるの」

それは、あまりにも突然すぎた。


だから、頭が一旦真っ白になって、整理は完全じゃないが追いつく。

「冗談かえ??」

ハハ、と龍馬は無理矢理笑顔を作るが口元は引き攣る。


「本当なの…だから」
「加尾!!!!」


加尾が言葉を紡ごうとしたら、誰かが加尾を呼ぶ声で言葉を塞いでしまった。

そこに居たのは、加尾の父親だった。


< 81 / 137 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop