運命の果ての恋〜歴史は変わらない〜
それから間もなくして龍馬と加尾は、恋に落ちたのだ。
まるで、必然の如く。
朝焼けが全てを美しく照らす頃。
夕焼けとはまた違う美しさがあった。
光が、草をキラキラと照らしつけていて思わず目を奪われるほど。
二人で、何にもない草原に並んで腰をおろした。
いつもの様に、たわいのない会話をしていると。
加尾の顔が下に俯いて、黙ってしまう。
普段明るい加尾が、落ち込むのが珍しくて顔を覗きこむが。
「どがぁした??」
そう、言うと。
加尾が弱々しく口を開いた。
「私…嫁がされるの」
それは、あまりにも突然すぎた。
だから、頭が一旦真っ白になって、整理は完全じゃないが追いつく。
「冗談かえ??」
ハハ、と龍馬は無理矢理笑顔を作るが口元は引き攣る。
「本当なの…だから」
「加尾!!!!」
加尾が言葉を紡ごうとしたら、誰かが加尾を呼ぶ声で言葉を塞いでしまった。
そこに居たのは、加尾の父親だった。