運命の果ての恋〜歴史は変わらない〜
「まだそんな男と…!!!!」
加尾の父親は、眉間に深いシワを寄せて足早に近寄ってきた。
すると、加尾の着物の衿を掴んで引っ張った。
「きゃぁっ!!!!」
加尾の悲鳴が何にも遮られずに響く。
それでもまだ加尾の衿を引っ張って無理矢理連れて行こうとする。
龍馬は、また完全に瞳孔が開いていて、無意識の内に刀に手をあてがっていた。
初めて見る龍馬に、加尾の背中には嫌なモノがゾクリと走った。
「龍馬様ッ…!!」
すると、騒ぎにかけつけた重太郎達。
今にも襲い掛かりそうな龍馬を数人がかりで止める。
が、龍馬も負けじと声を強く張る。
「貴様(きさん)!!なんしゆう!!!!!!嫌がっちゅう!!!!貴様が加尾を勝手に連れていくんじゃなかァァァア!!!!!!!!!!!」
加尾はその言葉に、涙を流し抵抗をさらに強める。
が、いくら父といえど一人の男。
力が敵うハズがなかった。
「龍馬様ァァァァァァア!!!!!!」