運命の果ての恋〜歴史は変わらない〜
柔らかい笑みを浮かべる加尾。
今日、また帰るのだとか。
ただ龍馬の居場所を見つけて会いたかっただけだったらしい。
「ごめんなさい…加尾さん…」
美夜は、子供みたいに泣いてしまって二人の再会を壊してしまって申し訳なくて謝る。
「本当に」
とだけ、加尾はいう。
美夜は、やっぱり…と縮こまる思いで下を向いていると。
加尾が美夜に歩みより、美夜の顎を掴み自らの顔を見させる。
「悔しいわ…龍馬様を貴女にとられて…だから、その叶わなかった私の恋(ぶん)も幸せになって…龍馬様を幸せにしてあげてね??」
そう言って、優しくウインクをする。
女の美夜ですら、女の色気のせいか。ドキリと鼓動を早めたほどだった。
「それでは…」
そう言うと、籠が運ばれてくる。
すると中から見知らぬ男が出てきて、
「加尾、用事は済んだか??」
「ハイ、十分に楽しめましたわよ♪♪」
と言って、恋人か夫か分からない男に腕をまわして、共に籠に乗り込んだ。
籠が閉められる一瞬、三人には加尾の妖しい笑みを見て一本とられたと思うのであった…