運命の果ての恋〜歴史は変わらない〜
「ふぅん」
重太郎に報告してみたら。
なんとも興味なさそうな顔で返事が返ってきた。
「あれ??反応薄…」
思わず、美夜がそう呟いてしまうと。
「そりゃーわしが寝ゆう隣で毎日のようにしちょったらできるわ!!!!」
半ばキレかけの重太郎。
重太郎に聞かれていると思って恥ずかしがる美夜を龍馬は楽しんでいたのだ。
まぁ、重太郎にとってはいい迷惑なのだが。
大声をあげた後、いつものようにため息をつく。
こんな二人に振り回されるのはもう慣れているのか慣れていないのか。
一度深呼吸をした後、さっきとはまるでうって変わって優しい笑みを浮かべながら微笑んだ。
「まぁ…めでたい事じゃ。おまん自身、大切にしぃ」
「…うん」
重太郎は、無愛想なだけで本当はもの凄く優しいのだ。
その優しさが、自分とこれから生まれる赤ちゃんに向かっていると思うと、嬉しいし、これからどんな子が生まれるのか、期待できた。
妊娠した、という実感と共に。
美夜は、優しい笑みでまだ膨らんでいないお腹を優しくさする。
その笑顔は、母親そのものだった。