俺達の学園戦争~始~


(嫌な事思い出しちゃったな…)


親友の泣き顔を見る度に心が痛む。


俺の親友である佐倉奏はある日突然、俺の前から姿を消した。


後に転校したと聞いたが、それでも俺の心は埋まるはずもなかった。


―何で、いきなり転校するんだよ!―


そればっか考えてて、俺は奏に裏切られたのかと思うようになった。


その時からかな、俺が人を信じられなくなったのは。


どうせ仲良くしても最後は奏のように俺の前から消える。


ならば信じない方がマシだと思うようになった。


それからか、人には冷たい態度をとっていたらしく(俺はあまり自覚してなかったが)


皆口を揃えていう。


「悠ちゃんって何か変わったよね。」


「なんか冷たくなった。」


「ノリも悪くなったよな。」


冷徹。無口。


それが俺に貼られたレッテル。


皆いつしか「悠」ではなく「宮野さん」と呼ぶようになった。


もちろん友達も減ったけど、正直俺はなんとも思わなかった。

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