ヴァルキュリア イン キッチンⅡeternal
「だ、だめ……一条さんらしくない」


「俺らしいってなんだ? 俺だって、こんなの……」



 感情任せに奈央を抱こうとしているのはわかっている。


 一条は胸に渦巻く憂いを、奈央を抱くことで払底しようとしていた。


「く……そ」


 奈央の身体に中途半端に乱れた一条の胸板が覆いかぶさり、肌と肌が重なり合うと全身が火傷しそうなほど熱く身を焦がした。



「い、一条さん……っ」



 その時、奈央の脳裏にいつか見た悪夢の残像が過ぎった。


 見ず知らずの他人に犯されそうになりながら、素知らぬ振りの一条の姿。



「い、嫌っ!」



 何を振り払うでもなく虚しく手が宙をかく。


 その手を一条が掴み、奈央の頭の上で両腕を束ねると、一条は奈央の口腔を乱した。
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