ヴァルキュリア イン キッチンⅡeternal
「クリスマスパーティ用ですか?」
「う、ううん、そうじゃないんだけど……」
奈央の脳裏に一瞬、一条の財布の中に入っていた奈津美の名刺が過ぎって、奈津美の笑顔に猜疑心を抱いた。
考えれば考えるほどネガティブ思考になる。
これは奈央の昔からの悪い癖だ。
奈央は気を取り直して愛想笑いを浮かべたが、顔の強張りを自分でも感じるほど引きつったものにしかならなかった。