ヴｧﾙｷｭﾘｱ ｲﾝ ｷｯﾁﾝⅡeternal

「ああ、一条先生から聞いたんですか？　はい、実はそうなんです」



　奈央は前から奈津美に聞いてみたいと思っていた。


　なんとなく余計な世話のような気がしてなかなかうまい言葉が見つからないでいると、奈津美の方から切り出してきた。



「なんで、研究家がクッキングスクールの生徒なのか不思議ですよね？」



「……そ、それは」



　直球すぎる奈津美の言葉に奈央は戸惑いを隠せなかった。


　そんな様子をよそに奈津美は言葉を続ける。



「紗矢子さんからの指示なんです。私は……紗矢子さんには逆らえないから」



「……え？」



　奈津美の表情が先程とは変わって伏し目がちに重苦しいものになる。



「逆らえない……って？」



「あのホームパーティで出てきたオニオンスープ……気になりましたか？　誰が作ったのか？」



　突如、オニオンスープの話題になって、奈央の表情が強ばる。