ヴァルキュリア イン キッチンⅡeternal
「奈央さんって、一条先生の恋人なんでしょ? 別に隠してるわけじゃないと思いますけど、私にはわかった」



 奈津美の目が挑むように奈央を見ている。


 口元は三日月型にしてうっすら笑みを浮かべていた。



「あのオニオンスープのレシピ、一条先生に教えてもらうように迫ったのは私です」



「え? じゃあ、あれを作ったのは……」



「ああ、あのホームパーティで作ったものは紗矢子さんですよ」



 奈央の頭が徐々に混乱してくる。

 奈津美の言っている意味が理解できないでいると、奈津美はクスクス笑って、グラスのカクテルを飲んだ。
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