ヴァルキュリア イン キッチンⅡeternal
 シャトー コス・デストゥルネル ブランは希少価値の高い高級辛口白ワインで、一条も会場で出されたときは、似せて作った偽りものだろうと高を括っていたのだが、その口あたりといい風味といいすぐに本物であるとわかった。




 実のところをいうと、アルバンホテルの料理自体はさほど大したことはなく、なんといっても売りはレストランで出される最高級品揃いのワインだった。



 要するに、紗矢子の契約があってこそのレストラン運営だといえる。



 ローザンホテルでは一流のワインを仕入れてはいるが、利益としてはあまり芳しくないのが現状だった。


 もし、紗矢子の会社で取引をすれば、ローザンの経営も安定するのではないか……と一瞬、一条はそんな事を考えてしまった。
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