ヴァルキュリア イン キッチンⅡeternal
「……そうですか」


 羽村は特に驚くこともなく、なんの抑揚のない口調で言った。


 羽村のリアクションが希薄だったからこそ、ピリピリとした雰囲気にもならず、その場をなんとかやり過ごした感じがした。



「……それで、春日さんはどうしたいのですか?」



「……え?」



 ―――どうしたいのか? まさに今、自分が自問自答している事を羽村に言われ、奈央は思わず羽村に向き直った。



「まぁ、どうしていいのかわからないから、私を呼んだ……そうでしょう?」



「……はい」



 奈央は今にも消え入りそうな声で、小さく頷いた。





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