ヴァルキュリア イン キッチンⅡeternal
 誰かに縋りつきたくて呼び出したと思われたようで、奈央は羞恥で自分が嫌になった。



「司は世間一般からみたら、まぁ……芸能人のようなものです、本人はそう思ってないみたいですけど……けど、あなたもそういう人を好きになった。ある程度のリスクは覚悟してたのでは?」



「……それは……」



 頭の中では理解していた。


 まるでファッションモデルのようなスタイルに容姿、そして語学も堪能なシェフとくれば必然的に人目を引く。

 けれど、そこにまさか自分の親友が関与してくるとは思いもよらなかった。



 羽村ならきっと、泣きながら鬱積したものを全て吐露したとしても、親身になって話しを聞いてくれるだろう。


 けれど、奈央はそうできなかった。
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