ヴァルキュリア イン キッチンⅡeternal
「ああ、そういえば今度クリスマスコンテストがあるようですね」


 不意に羽村が話の話題を変えるように少しトーンを上げて言った。



「はい、会場はアルバンホテルって聞いてます」



「そのようですね、なんというか、皮肉というか……」


「……」



 天井のセーリングファンが二人の沈黙の中、静かにカタカタ音を立てている。


 ジャズの旋律も混ざって、店の空気だけは穏やかに流れていた。


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