ヴァルキュリア イン キッチンⅡeternal


「いいの、あなたも忙しいでしょうから……無理言ってごめんね」



 物腰柔らかな口調とは裏腹に、表情はこの上なく冷淡だった。



「そういえばアルページュのコンテスト用レシピは春日さんが考えてるって―――」



「知ってる、そんな情報古すぎてお金にもならないわよ?」


「……」


「コンテスト前にちょっと悪戯してみたんだけど、ふふ……効果あったみたい」



 紗矢子は電話口で、堪えられない笑みを零した。
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