ヴァルキュリア イン キッチンⅡeternal
「……」


 シャワーからあがって真っ白なバスタオルを腰にゆるく巻きつけただけの姿で、一条は携帯を片手に濡れた髪の毛を拭いていた。



『何やってんだ、俺は……あいつの声が聞きたいなんて……』



 身体がだるいせいで思考能力も鈍くなっているのかと思い、携帯をテーブルに投げようとした時だった。



「奈央……?」



 けたたましく部屋に着信音が突如なり響いて、一条は慌てて携帯の通話を押すと、妙に自分の胸が高鳴っていることに気づいた。



「一条さん……? 私です」



「あ、ああ……お疲れ」
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