ヴァルキュリア イン キッチンⅡeternal
今まさに自分が電話をかけようか逡巡していた相手からの電話に、一条は思わず声がうわずってしまう。
想いの念がテレパシーのように奈央に届いたのだろうかと馬鹿げたことさえ考えてしまった。
それなのに、口から出てきたのはそっけないいつもと同じ口調の言葉。
「あ、あの……明日コンテストですね……」
「ああ……」
こんなことを言うために電話したんじゃない。
と奈央は自分に叱咤しながら紡ぐ言葉を考えていた。
特に要件があって電話したわけでもなく、ホテルであんな別れ方をして明日のコンテストに望むのがどうしても落ち着かなかったのだ。
「どうした? 何か、あったのか?」
「い、いえ……すみません、ただ……一条さんの声が、聞きたかったんです」
「……え?」
想いの念がテレパシーのように奈央に届いたのだろうかと馬鹿げたことさえ考えてしまった。
それなのに、口から出てきたのはそっけないいつもと同じ口調の言葉。
「あ、あの……明日コンテストですね……」
「ああ……」
こんなことを言うために電話したんじゃない。
と奈央は自分に叱咤しながら紡ぐ言葉を考えていた。
特に要件があって電話したわけでもなく、ホテルであんな別れ方をして明日のコンテストに望むのがどうしても落ち着かなかったのだ。
「どうした? 何か、あったのか?」
「い、いえ……すみません、ただ……一条さんの声が、聞きたかったんです」
「……え?」