ヴァルキュリア イン キッチンⅡeternal
恋人のはずなのに、まるで片思いの相手と電話をしているような、そんな感覚だった。
言いたいことが山ほどあって、色々頭の中で考えていたはずなのに、いざ相手の声を聞くと何を話したらいいのかわからなくなってしまう。
「あ、私、今日の夕御飯に明日のコンテストメニューを試しに作ってみたんですよ、明日もうまくいくといいですね」
「ああ、鹿肉ロースト クランベリーソースとブロッコリーのフラン添え……だろ? 写真見たときにイメージ湧いた」
奈央が持ってきたレシピの中で一番印象深く、一条はインスピレーションでこれだと決定した。
これならうまくいくという予感がしたのだ。
「お前、明日そのレシピ持ってくるの忘れるなよ? 俺は頭の中に入ってるからいいけど」
「ふふ……私だって、自分で作ったレシピなんですから、見なくてもわかりますよ」
これが電話じゃなかったら、すぐさま腕を伸ばして抱きしめたい。
そんな衝動に駆られながら一条は小さく笑った。
言いたいことが山ほどあって、色々頭の中で考えていたはずなのに、いざ相手の声を聞くと何を話したらいいのかわからなくなってしまう。
「あ、私、今日の夕御飯に明日のコンテストメニューを試しに作ってみたんですよ、明日もうまくいくといいですね」
「ああ、鹿肉ロースト クランベリーソースとブロッコリーのフラン添え……だろ? 写真見たときにイメージ湧いた」
奈央が持ってきたレシピの中で一番印象深く、一条はインスピレーションでこれだと決定した。
これならうまくいくという予感がしたのだ。
「お前、明日そのレシピ持ってくるの忘れるなよ? 俺は頭の中に入ってるからいいけど」
「ふふ……私だって、自分で作ったレシピなんですから、見なくてもわかりますよ」
これが電話じゃなかったら、すぐさま腕を伸ばして抱きしめたい。
そんな衝動に駆られながら一条は小さく笑った。