ヴァルキュリア イン キッチンⅡeternal
「はい……じゃあ、そのように……わかりました。でも、本当に……い、いえ」


 奈央はこんなに萎縮した奈津美を初めて見た。


 一体誰と話しているのか気になったが、尋ねるのも憚られた。



「奈央さん、キャンディ食べます? これ、海外旅行に行った友達からもらったものなんですけど、よかったらどうぞ」



 奈央が再び窓の外に視線を移しかけた時、いつの間にかに電話を切って、先ほどとは打って変わった明るい声で、奈央にキャンディを差し出してきた。

 奈央はちょうど喉が渇いていたので、それを遠慮なく受け取った。
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