ヴァルキュリア イン キッチンⅡeternal
 薄暗い小さな部屋、徐々に視界が鮮明になってくると、ここが自分の知らないどこかのマンションの一室だということがわかる。

 窓の外を見ると雪が深々と降っていた。


 うっすらと雪化粧をした夜景は今の奈央にとって不穏な景色に見えた。


「ッ!?」



 奈央は思い出したように腕時計に目をやる。


 時刻はもう少しで六時になるところだった。

 コンテスト開始時刻は六時。



 ―――間に合わない。
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