ヴァルキュリア イン キッチンⅡeternal
 奈津美は伏し目がちに視線を落とし、冷たい床をぼうっと凝視した。


 男はそんな奈津美の様子をみて、後ろから抱きすくめた。



「その罪悪感、俺にも分けろ……」


「……馬鹿」



 奈央に睡眠薬入のキャンディを渡してここまで運び込み、この男にだけは自分の迷いを看破されるわけにはいかないと思っていたはずなのに、優しくされるとつい甘えたくなる。



 奈津美は後ろから抱きこむその腕に手を添えた。
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