ヴァルキュリア イン キッチンⅡeternal
「ご、ごめんな……さい、わ……たし」


 絶望の次は押しつぶされそうな罪悪感に襲われる。


 涙を拭うことも忘れ、奈央は俯いて唇を噛み締めた。



「仕事も女も両方手に入れるなんて、かっこいいこと言ったけど……結局、俺には両方手に入れることなんてできなかったな」



 一条の自嘲じみた嗤いに、奈央は淡い寂寥感を覚えた。
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