ヴァルキュリア イン キッチンⅡeternal
「ごめんなさい……結局私、何もできなかった」


「そうか? 泣きながら鼻水垂らしたお前の面白い顔が見れて、俺は満足だけどな」



 こんな時まで茶化そうとする一条に、奈央は呆れを通り越してむしろ快さを感じる。



 ふと一条の顔を見上げると、待ち構えていたかのように唇を塞がれた。


 氷のように冷えきった身体に熱い灯を点される感じがした。

 その口づけに、身体の真髄まで溶かされる。
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