ヴァルキュリア イン キッチンⅡeternal
 紗矢子はその様子に信じられないものを見るかのように目を瞠った。


 斎賀は肩を大きく上下させ、口から何度も吐き出される乱れた息を整えた。



「一樹……何? 見送りに来てくれたの? よかったわね、もう、しつこい女に付け回されることもな―――」



「馬鹿!」


「っ!?」



 初めて斎賀に怒気を含んだ声で怒鳴られた。


 紗矢子は気圧されて言葉を噤んだ。
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