ヴァルキュリア イン キッチンⅡeternal
 春日奈央は三十路間近にして高級フレンチレストラン「アルページュ」に再就職した。


 その先で紆余曲折あり、上司でフレンチの巨匠一条司と恋仲になって早三ヶ月が経とうとしていた。



『まさか一条さんが私の恋人になるなんて……』



 恋愛やおしゃれそっちのけで、この年になるまで仕事一筋でやってきた。


 そんな色気も魅力もない奈央にとって一条は高嶺の花だった。


 それが今こうして恋人として朝目が覚めたら一番に彼の顔を見られることが幸せに思えた。
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