ヴァルキュリア イン キッチンⅡeternal
「奈央、まだいたのか」


 店はとっくに閉店していたが、奈央は休憩室で一人デスクワークの仕上げをしていた。



「一条さん、お疲れ様です」



「ああ」



 ぶっきらぼうな返事はいつものことだ。


 一条はシェフスカーフを片手で解き、胸元を寛がせた。


 奈央は密かにこの仕草がセクシーでいつも目を奪われずにはいられなかった。



「そういやお前、昨日仕事終わったあとどこかにでかけてたのか?」



「昨日は久しぶりに私の友達とディナーに行っていて……」



「用事が早く終わったから、マンションに行ったんだけどな、いなかったみたいだから」



「え? そうだったんですか?」




 奈央が一条に向き直ると、何故か不機嫌そうな顔をしている。


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