ヴァルキュリア イン キッチンⅡeternal
留置所―――。
奈央は何故紗矢子と留置所が関係しているのか理解できなかった。
斎賀の言葉を聞いて頭が真っ白になる。揺れ動く身体を支えるように一条が背中にそっと手を添えた。
「紗矢子は自分の今まで犯してきた過ちを省みる時間が必要なんです。やっと、彼女の暴走を食い止めることができた……」
「あ、あの……一体どういう……」
奈央の指先が小刻みに震え出す。
冷たくなった指が唇に触れるとひんやりとして、更に血の気を奪った。
「紗矢子は自分を見失ってしまった時からいくつもの罪を犯してきた……罪への罪悪感が麻痺してしまった紗矢子に私は看過してきた。しかし、それでは彼女は救われないと……。今更気がついてももう遅いのかもしれませんが……」
斎賀は自嘲して小さく口元を歪めた。
「コンテストの時といい、紗矢子が何故あなたにあんなことをしたのか、今となっては詭弁かもしれませんが、きっと……犯罪に穢れた本当の自分から遠ざけたかったんでしょう、けど、あいつ、あんな性格だから素直じゃなくて……わざと嫌われるようなことしたんです。けれど、春日さんにとっては……そんなことじゃ許されないことだと思いますけど……」
「……」
奈央は何故紗矢子と留置所が関係しているのか理解できなかった。
斎賀の言葉を聞いて頭が真っ白になる。揺れ動く身体を支えるように一条が背中にそっと手を添えた。
「紗矢子は自分の今まで犯してきた過ちを省みる時間が必要なんです。やっと、彼女の暴走を食い止めることができた……」
「あ、あの……一体どういう……」
奈央の指先が小刻みに震え出す。
冷たくなった指が唇に触れるとひんやりとして、更に血の気を奪った。
「紗矢子は自分を見失ってしまった時からいくつもの罪を犯してきた……罪への罪悪感が麻痺してしまった紗矢子に私は看過してきた。しかし、それでは彼女は救われないと……。今更気がついてももう遅いのかもしれませんが……」
斎賀は自嘲して小さく口元を歪めた。
「コンテストの時といい、紗矢子が何故あなたにあんなことをしたのか、今となっては詭弁かもしれませんが、きっと……犯罪に穢れた本当の自分から遠ざけたかったんでしょう、けど、あいつ、あんな性格だから素直じゃなくて……わざと嫌われるようなことしたんです。けれど、春日さんにとっては……そんなことじゃ許されないことだと思いますけど……」
「……」