ヴァルキュリア イン キッチンⅡeternal
「もし俺がそのお前の友達とやらに気が行ったらって?」



「あ、あの……」



 目を逸らそうとした時、奈央は顎を捕られて、恐る恐る一条の顔を見た。


 唇を三日月の形にして不敵に笑っている。


 目を細めて覗き込まれると、茶褐色のような碧眼のような不思議な瞳の色に吸い込まれそうになる。




「俺の本気を舐めんなよ? お前をどれくらい愛しているか、何度も身体に教えてやっただろ? まだ足りないのか?」



 吐息がかかりそうなくらいの近距離に、奈央は狼狽する。


 視線を泳がせることもできない。



「い、一条さん、誰か来ら……」



「誰も来ない、従業員は全員帰ったし、俺と二人だけだ」



 そう言われるとゾクリと奈央の身体の中で何かが疼いた。


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