ヴｧﾙｷｭﾘｱ ｲﾝ ｷｯﾁﾝⅡeternal

　奈央は一条のおかげで多少のフランス語なら理解できるようになっていた。


　頬を緩ませていると、食欲をそそるような匂いが鼻孔をくすぐった。



　キッチンにあったスープ鍋をみると、作りたてのオニオンスープが入っていた。


　奈央は一条が作るこのオニオンスープが一番のお気に入りで、自分でも作ってみたくて何度も練習したが、一条の味には及ばなかった。




『レシピくらい教えてくれてもいいのに』




　このオニオンスープのレシピを教えてもらおうと度々尋ねてはことごとく断られ続け、奈央の中では謎のスープになっていた。




　本場同様、熱々のスープにパルメザンチーズをふりかけてフランスパンの輪切りを落とす。




　一条はまた奈央の特製コンソメスープがお気に入りで時々作れとせがまれる。