ヴｧﾙｷｭﾘｱ ｲﾝ ｷｯﾁﾝⅡeternal

　紗矢子のマンションは相当いい仕事をしていると思わせられるくらいの広い豪華な部屋だった。



　数名のクッキング仲間とビールを飲み交わしてテーブルに座っている紗矢子に声を掛けられた。



「あれ、奈央どこ行くの？」




「お手洗いなんだけど、どこかな……」




「廊下に出て玄関に一番近いとこだよ」



「ありがとう」



　奈央が背を向けると、なんとなく痛いくらいの視線を感じた。



　紗矢子意外初対面で、きっと自意識過剰になっているのだと奈央は思った。