ヴァルキュリア イン キッチンⅡeternal
 子供染みていることは理解していた。



 けれど、奈央にとって一条の作るものは特別な意味を持つ。


 それが、一条に取って造作もないことであっても……。



「わ、私もクッキングスクール行こうかな」




 冗談交じりの奈央の言葉に一条の表情が曇る。




「プロがなんで料理教室に行くんだよ?」



「じゃあ、私にも今度オニオンスープの作り方教えてください」



「ダメだ」



「ッ……」




 一条の氷のような冷たい視線に耐え兼ねて、奈央はバーから飛び出した。



「ちょ! おいっ!」




 呼び止める一条の声を背に人の群れを縫って夜の街を走る。


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