ヴァルキュリア イン キッチンⅡeternal
「はぁ? 一緒に住むのが嫌だって? なんでだよ、理由を言え理由を」


 子供のようにぶすくれて、一条はソファにどかりと腰を下ろした。


「嫌ってわけではなくて、その…あのホテルで一緒にリブインできないんです」


「……で?」


「一緒に仕事してる同僚や後輩もいますし、付き合ってることを明るみにすると……その、仕事がしにくいっていうか……」



 しどろもどろに奈央が言葉を繋ぐと、一条は大きくため息をついた。




「別に他のやつらにバレたって俺はいいと思ってる。でも、それでお前がやりにくくなるなら話はべつだな」



「一条さん……」



 奈央は一条の譲歩に感謝しつつ、俯いていた顔を上げた。





「だったらマンション買う―――」





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