ヴァルキュリア イン キッチンⅡeternal
第六章 羽村の気遣い
翌日―――。
朝から今日もアルページュのキッチンで一条の凛とした声が響いて朝礼が始まる。
「新作メニューが正式に決まった。各自レシピを確認しておいてくれ」
「あ、あのぅ……」
「なんだ」
最近入って来た新人の従業員、成瀬が小さく手を挙手する。
「一条さんのレシピはフランス語で……僕、読めないんですけど……」
何も知らないということは時に恐ろしい。
従業員全員が新人に目を瞠って固唾を呑んでいた。
朝から今日もアルページュのキッチンで一条の凛とした声が響いて朝礼が始まる。
「新作メニューが正式に決まった。各自レシピを確認しておいてくれ」
「あ、あのぅ……」
「なんだ」
最近入って来た新人の従業員、成瀬が小さく手を挙手する。
「一条さんのレシピはフランス語で……僕、読めないんですけど……」
何も知らないということは時に恐ろしい。
従業員全員が新人に目を瞠って固唾を呑んでいた。