ヴァルキュリア イン キッチンⅡeternal
「私、この前羽村さんと偶然エントランスで会って夕食に行ったんです」
「ああ、聞いた。あなたのお姫様をお借りしましたって、電話来たぜ……ってか、なんでもかんでも事後報告だからな、あいつ」
そう言いながら鼻で笑っている一条の様子を見ると、気分を害したようでもなく奈央は胸をなでおろす。
「ラーメン屋に行ったんです。羽村さん行きつけの」
「ああ、あの店か……何回も羽村にその店教えろって言ってるんだけど、なかなか教えてくれないんだよな」
「いつか連れてってやろうと引き伸ばしてる内が楽しいって言ってました。そういう稚拙な発想が……一条さんと一緒だって」
「なっ……あいつ」
一条は眉間に皺を寄せて、灰皿に短くなった煙草の火種を押し付けて消した。
「オニオンスープのこと……羽村に言ったのか?」
「……はい」
奈央がそう言うと、一条は額に掌をつけてしばらく俯いていた。
その様子に奈央はひどく申し訳ない事をしたのだと痛感する。
「ああ、聞いた。あなたのお姫様をお借りしましたって、電話来たぜ……ってか、なんでもかんでも事後報告だからな、あいつ」
そう言いながら鼻で笑っている一条の様子を見ると、気分を害したようでもなく奈央は胸をなでおろす。
「ラーメン屋に行ったんです。羽村さん行きつけの」
「ああ、あの店か……何回も羽村にその店教えろって言ってるんだけど、なかなか教えてくれないんだよな」
「いつか連れてってやろうと引き伸ばしてる内が楽しいって言ってました。そういう稚拙な発想が……一条さんと一緒だって」
「なっ……あいつ」
一条は眉間に皺を寄せて、灰皿に短くなった煙草の火種を押し付けて消した。
「オニオンスープのこと……羽村に言ったのか?」
「……はい」
奈央がそう言うと、一条は額に掌をつけてしばらく俯いていた。
その様子に奈央はひどく申し訳ない事をしたのだと痛感する。