年下の彼氏

―空side―

愛奈はヤバイぐらい可愛くて俺の大好きな1つ年上の彼女だ。

俺が愛奈に惚れたのはいつだったっけ?
たぶん見た時に一目惚れしたと思う。
それからアタックもせずに“当たって砕けろ”と友達が背中を押してくれて告白をした。
正直、愛奈と付き合えるなんて思ってもいなかった。
学年は違うし、話した事のない奴から突然告白されたら驚くだろ?普通は。

だけど愛奈は「うん、よろしくね。」って言ってくれたんだ。
あの時は嬉しすぎて、死ぬかと思った。

だって俺が初めて好きになった人だから。
女子から告白された事はある。
だけど自分から告白した事なんてなかったんだ。


愛奈が初めてだ。
恥ずかしくて緊張したけど、あの時・・・告白してなかったら俺と愛奈は付き合ってない。
そう思うとあの時の俺に拍手をしてあげたい。

そんな回想を1人でしていると授業中だからボーっとするなと先生に注意をされた。

授業なんかまともに聞けるか!
俺の席は窓際で天気が良い日は太陽が当たって暖かい。
だから眠くなって寝る時もある。

・・・先生には怒られてばっかりだけど。

大きな欠伸をして、外を見た。
グラウンドでは女子が体育をしている。
たぶんあれはバレーボールだ。

俺も外でサッカーしたい。
体を動かす授業の方が断然良い。

あっ・・・!
あれ、愛奈じゃん!

俺の目に止まったのは友達とバレーをしている愛奈の姿だった。
遠くからでよく見えないけど、きっと愛奈は笑顔だろうな。

愛奈は俺が見る限りいつも笑顔だ。
それにモテるしさ。

この前、体育館の裏で告白されてたってクラスの女子が騒いでたっけ。
何で1つ学年が上の愛奈が告白された事を知ってんだ?と思ったら、学校内の情報網は凄いらしい。

要するに皆、噂好きって奴だ。

でも、愛奈はちゃんと振った。
そりゃー、俺の彼女だし!
たまに不安になる事だってある。
いや、頻繁にかな?

学年も違うし何せ俺は年下だ。
いつか振られるんじゃないかと不安だ。

あんなにモテる愛奈だから過去に付き合っていた男とか居るだろうし・・・。
そんな事を考えるだけで嫉妬してしまう。
< 7 / 16 >

この作品をシェア

pagetop