Dearest
まもなくしてロンドン・ヒースロー空港に着いたアキ。

イギリス最大の空港だけあって旅客人で溢れかえっていた。



キャリーケースを引き吊りながら、アキはきょろきょろと周りを見渡す。




「…いないなぁ。あの人…」



アキは、ホワイトガーデンまでの道のりをずっときょろきょろしながら歩いていた。



しばらく歩くと白い大きな建物が見えてきた。

その建物こそがホワイトガーデンである。




「あらアキ、早かったわね」



ホワイトガーデンに着くと、母が出迎えてくれた。




「部屋に案内するからついてきて」

「はーい」



施設の別館にある建物がアキや母たちの家。


施設の園庭では、たくさんの子供たちが遊んでいる。

アキはそれを微笑ましく見つめていた。




「ここがアキの部屋よ。私達が仕事終えるまで荷物整理してるでしょ」



母はアキの部屋の鍵を開ける。



これからアキの生活スペースになる部屋は、広くはないが家具などが揃っていて居心地は良さそうだった。



「ねぇお母さん、ちょっと出掛けてきていい?…ロンドンの街を見学してきたいの」

「別にいいけど気を付けてね?暗くなると治安があまりよくないから」

「大丈夫、ちょっとだけだから」



アキは母にそう言うと、支度をして外へ出掛けた。
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