Dearest
外は既に小雨が降っていた。


アキは傘をさし、子ども達はレインコートを羽織り長靴を履く。



レオンの赤・アシュリーの黄色・サミュエルの青いレインコートとアキの白い傘が雨の中、綺麗に映えていた。



子ども達はわざと水溜まりに入り、喜んでいる。




「こら、遊んでないで行くよ!ラヴ待ってるんだから」

「アキ〜…アシュリーが押したから転んじゃった」



レオンのレインコートは泥まみれになっている。


アキはため息をつくとレオンと手を繋ぎ歩き出した。



アキとレオンの後に続くようにしてアシュリーとサミュエルが歩く。





駅に近付くにつれ、土砂降りになる雨。


駅に着くと色とりどりの傘をさす人や迎えの車、タクシー待ちをする人で溢れかえっていた。




「ラヴはどこだ?人がいっぱいいてわかんねぇ」



アキと子ども達は辺りを見渡す。


すると、人の群れの中から他人より頭ひとつ分飛び抜けた漆黒の髪が見えた。




「ラヴ!ここだよ」


アキと子ども達が手を振ると長いトレンチコートを羽織り、サングラスをかけたラヴが4人の元へ駆け寄ってきた。




「おかえり、ラヴ。お疲れ様」

「はい、ただいまです。迎えに来て下さって有難うございます」

「やっぱりラヴはカッコいいね♪他の人といるとよくわかる」

「自慢のお父さんでしょ?」




アキの言葉に子ども達は頷いた。
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