Dearest
ラヴの帰りを待っている子ども達は、リビングで楽しそうに七夕の唄を歌っている。



「笹の葉さ〜らさら牧場に揺れる〜♪お星様キ〜ラキラ金玉すなご」

「…レオン、所々歌詞間違ってるぞ」



アシュリーがレオンに呟くと、ラヴが仕事から帰ってきた。




「おかえり、ラヴ。お疲れ様」

「はい、ただいまです」



アキが玄関でラヴを出迎えると、子ども達がラヴに駆け寄った。




「ラヴ、早く早く!短冊書くよ」

「短冊?何ですか、それは」

「え!?ラヴも知らないの?」



物知りなラヴが短冊を知らない事に驚くアキ。



子ども達はラヴの腕を引っ張りながらリビングに行くと、カラフルな短冊をラヴに見せる。




「これが短冊だよ。今日は七夕だから短冊にお願い事書いて笹に飾ると、その願いが叶うんだってアキが言ってた」


「七夕は聞いた事がありますが、短冊とは初耳です。日本は素敵な習慣があるんですね」



ラヴはソファに座ると短冊を一枚手に取った。


子ども達は真剣な顔で、お願い事を考えている。




「俺は身長がラヴを追い抜きますようにでいいや」

「アシュリー、それは願いなんでしょうか?」

「いんだよ!他には何もねぇもん」



アシュリーはテーブルの上でキュッキュとマジックの音を立てながら、短冊に願いを書いた。




「僕はにゃんこを飼いたいですとCDが欲しいにする」

「サミュエル、それくらい私が買ってあげますよ」

「ラヴ!子ども達の願いにいちいちつっ込まないの!!」



アキがラヴを叱っている横で、レオンが何枚も短冊に願いを書いていた。
< 119 / 596 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop